あなたと私の心をつなぐコンピューターネットワーク

〜インターネット、パソコン通信はもうひとつの広場〜

 

2回目インターネットハイスクール「風」

 

インターネットは、学びの宝庫

 新しい科学技術は世界に影響を与えます。使う人間により良くも悪くもなる諸刃の刃です。私たちはそれを使って、迷いの中にある人たちと共に生きることを選ぶことができます。

 印刷技術の発達していない頃、書物は人が書き写す写本だったので、手に取れるのは少数の人でした。印刷技術の発達によって多くの人が書物に親しめるようになりました。しかし、最新の資料を手に入れるには、図書館などに「行き」調べなければなりません。

 インターネットは、自宅など場所を選ばず世界中の情報にふれることができます。図書館のように過去の膨大な資料にアクセスするのは難しいですが、世界中の知識を集めた「図書館」を自宅にもたらします。さらに、電子メールによって問い合わせ、世界中の人と議論することもできます。自宅に「サロン」をもったようなものです。

 「知りたい」「学びたい」と思ったとき、自宅でもかなえられる状況ができつつあります。

 

自分から学ぶ「風」

 「知りたい」「学びたい」と思ってもかなえられない子どもたちがいます。

 何らかの理由で従来の「学校」という形式になじめない子どもたちの「学べる場」としてインターネットを活用、実践しているのがインターネットハイスクール「風」です。

 「風」では興味や知りたいことを中心に指導者の助言を得ながら自分だけのカリキュラムをつくります。日常生活のすべてが学習であり、「風」の各種プログラムもあわせてそれが必要な単位として換算され、プログラム終了時にはアメリカ・ミシガン州公認私立クロンララ校の高校卒業資格を取得できます。

 与えられ詰め込まれる教育ではなく、興味のあるものから学習し知識を深め周辺に広げていく。たとえば、コンピュータグラフィックス(CG)が好きな子がそれを選択科目にし、学ぶためにアメリカのソフトマニュアルを読めば教師は英語の単位として認定し、クジラのCGで泡のリアル感を出すためにビデオを見、百科事典で生体を調べれば「生物」として単位認定をします。

 作品の提出、助言など電子メールで行われます。

 これは、「やらされた学習は本当の学習ではなく、主体的に取り組んだ学習こそ本当の学習である」という考え方に基づくものだといいます。

 

もう一つの学びの場はコミュニケーションと

 こういった考え方はインターネットを利用する前から母胎となる「湘南・風のフォーラム」で実践蓄積されていました。住んでいる場や時間を問わず情報交換をしたり仲間をつくることができるインターネットを利用することによって、そこが不登校の子どもたちの場として確立しました。さらにメールを介して友達になった子ども同士が直接会ったり、フォーラムに姿を現すようになりました。中には人と話をするのが数カ月ぶりという子どももいました。

 「風」では日常生活での学習、インターネット上での学習、フィールドワークなどのスクーリングを組み合わせ「本物」にふれ、自分の頭で考え「発表」し、それを元に「討論」する中で、「学び」をより深めます。

 

世界が教室

 「どこで学ぶか」ではなく「なにをどう学ぶか」を考えると、一つの選択肢として「風」のあり方があります。

「生徒は、自分を愛してくれる大人と共にいるとき、見習うべきよい手本となる人々と共にいるとき、自分が世界の中で体験可能なすべてのものに触れることができるときに、最もよく学ぶものである。世界が教室である。」クロンララ校の教育理念より

 

インターネットハイスクール「風」事務局

〒231-0015 横浜市中区尾上町5-80 神奈川中小企業センター8F

(株)ケイネット内

TEL045-663-3729・3792 FAX045-633-5108

 

参考文献

インターネットハイスクール「風」

柳下換 著 ダイヤモンド社