あなたと私の心をつなぐコンピューターネットワーク

〜インターネット、パソコン通信はもうひとつの広場〜

 

1回目「ピアネット」

 

パソコンは専門家や趣味の人が使うものでした。

しかし現在ではパソコン通信、インターネットが身近なものになり、コミュニケーションの道具としてパソコンを多くの人が使うようになりました。今や電子コミュニケーションは無味乾燥した無機質なものではなく、人間的な語り合いの道具として活用が始まっています。そこで電子コミュニケーションを活用して成果を上げている団体を紹介していきましょう。

 

 

ピアネットはあなたと私の心をつなぎます。

 私は障害者と仲間たちでパソコン通信ネットワーク「ピアネット」をつくり、今年の7月で3年を迎えます。ピアネットのホストコンピューターは横浜にあり、毎日20人以上がアクセスしてきます。会員登録は約260名。ピアネットの特徴はサポート隊です。障害を持つ人から「自分もピアネットにアクセスしたい」という要請を受け出動し、パソコンにモデム、電話回線をつぎ、アクセスソフトをインストール(そのソフトをコンピューターに取り込むこと)し、使い方を実習する活動をしています。またサポートをもとに「仲間になること」がもう一つの大切な目標です。発足から今までほとんどの土曜日は、神奈川県内のどこかへサポート隊が出動しています。

 

 

心ゆるせる友達

 こうして顔見知りになった人たちが、ピアネットにアクセスしてきます。「はじめまして」と「何でも話そう」の会議室に自己紹介する人がいます。何件もの返事がかえってきます。日々のなにげない話しから、相談ごとまで話題が広がります。ほかの会議室では「詩集をつくりたいけど手伝ってくれる人募集」「彼募集。できれば若い人」「医者にかかりたいのですが脳性麻痺のことをよくわかってくれる病院はありませんか」などの発言があり、多くの人から返事がかえり、交流が深まります。

 

在宅勤務

 麻痺があり一生文字や絵を描くことができないと思っていた人が絵を描いて会議室にアップ(掲示)します。通信によって、気軽に多くの人に作品をみてもらうことができます。話題が広がって、パソコンを使ってもっと社会参加できたらいいとの発想のもと、いくつかの作業を受託しました。最近では横浜市社会福祉協議会発行「福祉サービスイエローページ」の編集のお手伝いをさせていただきました。コンピューターとネットワークを使って役に立つ経験から、もっと技術を磨きたいという要望をもとに「コンピューターの学習会」を持つことになりました。

 

定期学習会

 毎月第2土曜日、午後1時から4時30分まで、会場となる「かながわマルチメディアサロン」の協力を得て、障害を持つ人を対象にピアネット主催の学習会が開かれています。

 

電脳作業所

 このような活動を整理してみると、コンピューター上で地域作業所をつくっているのではないかと思い当たります。ここにくると仲間がいます。仕事があって作業をし、社会参加しています。違うところは、交通機関を使うのではなく、パソコンとモデムの電源を入れマウスを動かすだけで自宅から「電脳作業所」にいくことができます。何らかの事情で外出することが難しい人にはパソコンに向かえば社会とつながっているという環境は、もう一つの新しいコミュニケーションとして有効だといえるでしょう。

 

ピアネット連絡先

アリスセンター内障害者とワープロ・パソコン通信研究会

231-0007横浜市中区弁天通2-26-3

電話045-212-5835(担当:川崎、松尾)

ピアネットアクセス番号045-212-5825