-----コンピュータでコミュニケーション-----

4回目

このレポートは「かながわともしび財団」季刊誌「ともしび」の97年 1年4回にわたって連載したものです。


電子メールを送ってみよう

 

リード記事

 コンピュータは頭脳のための自転車です。基本的な操作のしかたを覚えれば乗りこなすことができます。マウスという入力装置を使えば、画面に出てくる絵に矢印を当てるだけでコンピュータを制御することができます。電話回線を通じてインターネットにつなげれば、ホームページにウインドショッピングに行くことができます。また、キーボードなどで入力した文章を相手に送ることができます。最終回はともしび財団にメールを送ってみましょう。

 

コンピュータで電子メールを送る

 手紙や電話やファックスがあるのだから、コンピュータを使ってインターネットで電子メールを送りあう必要はないではないと考える方がいらっしゃいます。確かに、手紙なら、大切な内容を文字や絵で送ることができます。でも、手紙を書いて封筒に入れて切手を貼って、郵便ポストにいかなければなりません。そして相手に届くまでに2日。相手が読んで返事をくれるとすると日にちが経ってしまい、緊急の場合は使いにくい。その点電話なら、ダイヤルするだけですぐに相手とつながり、気軽に話すことができます。しかし、記録に残りませんから後から確認することが難しいし、聞き違いもあります。さらに相手がいなければ通じません。手紙と電話の間がファックスです。自宅にいながら、文字や絵が相手のファックスに送られます。様々な活動の会報など、ファックスで送られてきたりします。しかし、多くは送り手と受け手が1対1です。

 電子メールならば、自宅にいながらコンピュータから通信ケーブルや電話回線に載せて相手にメッセージを届けることができます。外国に航空便で手紙を出すと3日から1週間はかかりますが、インターネットに接続しているコンピュータなら世界中のどこへでも瞬時に届けることができます。さらに、届け先のアドレスが複数の場合、必要な分だけ入力しておけばすべての相手に発信されます。届けられた方では、いつでも見ることができますので、自分の好きな時間に読むことができます。

 確かに、絵手紙や絵はがきのように自筆で紙の素材まで吟味したような作品の肌触りは出しにくく、画一的に感じられるかもしれませんが、速報性、正確性、そして2次加工に優れています。

 このように時と場合によって情報手段を使い分けるのがいいでしょう。

 

電子メールは2次加工に優れている。

 2次加工が優れている例では、たとえばこの原稿です。私は原稿をコンピュータで打ち込んで、ともしび財団宛に電子メールします。財団ではそれをフロッピーなどに落として印刷所に持っていきます。印刷所では活字を拾ったり打ち直したりせず、そのまま写植などの機械に流し込みレイアウトを完成させています。文字の間違いはありませんので、ゲラ刷りを私がチェックする必要はありません。工程は原稿用紙で提出するより1週間ほど短縮になります。私が代表する障害者と仲間たちのパソコン通信ネット「ピアネット」ではミニコミ誌をこの方法で作っています。障害を持つ人も家庭の主婦も、自宅から原稿を送って、みんなの原稿をメールで集めて、それをレイアウトして、後は印刷機に・・・(図peer10.JPG)

 

電子メールは会議室でもある。

 メールを1カ所のアドレスに送ると、登録されている全員にそのメールが送られるという機能を「メーリングリスト」と呼びます。これは、特定の話題に関心のある人々の電子メールアドレス(住所・氏名のようなものです)が集まった「場」のようなものです。誰かが発言すると同時に参加者全員にその発言が送られるので、電子会議室を開いたような効果があります。メーリングリストを使って趣味から学術的な電子会議が世界中を飛び交っています。

 私の場合、日本障害者協議会のパソコンボランティアのメーリングリストに参加して全国からくる障害者の要望を聞いたり、ボランティアの派遣を行ったりしています。またメーリングリストを使って、現在共同執筆の本を出版すべく、内容をみんなで論議したり、情報交換などを行っています。(図mail1.JPG)

 

ともしび財団に電子メールする。

 それでは、ともしび財団に電子メールを送ってみましょう。ウインドウズの場合、マウスを動かして画面左下のスタートからアプリケーションを選んで、そこから「ネットスケープ」か「インターネットエクスプローラ」を選んでください。

 広がったウインドウは「ホームページ」を表示させるソフトとして第3回で紹介しました。ここで、ネットスケープの場合、メニューバーより「ネットスケープ」のアイコンをクリックすると付箋がでてきますので「メッセージセンター」を選びます。(図messege.JPG)

 このウインドウの一番上の「新規作成」アイコンをクリックしましょう。すると、「送信」ウインドウが現れ、宛先の行で点滅をしているので、ここにtomosibi@mb.infoweb.or.jpとアドレスを入れます。件名には表題を入れます。そして、下に本文を打ち込んでいきます。最後に一番上の「送信」のアイコンを押して完了です。(図send.JPG)

 まだこの時点ではメールは送られていません。メールを書くごとにインターネットに接続していると、接続料、電話代がかかってしまいますので、ある程度ためてから、送信し同時に受信するのが一般的です。私の場合は緊急の場合以外は毎朝送受信(3分から5分)のパターンです。送受信については、メニューバーの「ファイル」より「オンラインにする」を選択するとメールを送受信する手続きができます。(図online.JPG)

 こうやってあなたのメールは電話回線を通じてともしび財団に送られます。どのような返事が来るか楽しみですね。

 

私にメールを

 さて、4回の連載をこれで終わらせていただきます。ニュースグループなどインターネットで紹介できなかったこともありますし、パソコン通信の楽しさなどもお伝えできませんでしたが、またの機会にご紹介させていただきたいと思います。

 ご感想など、ぜひmikioo@pis.bekkoame.or.jpに電子メールしてください。